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2007.03.09

「クラッシュ」ー理不尽であること

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CRASH 監督・脚本:ポール・ハギス
2006年アカデミー賞 作品賞・脚本賞・編集賞受賞作品
HP: www.crash-movie.jp/

昨日WOWOWで放映されていたものを、録画して見ました。
ポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いたポール・ハギスの監督デビュー作品。

シネマトゥデイの記事
cinematoday.jp/movie/T0004013

とても悲しい映画です。泣けます。ぼくはふたつのシーンに感極まって涙を流しそうになりました。
音楽もとてもいいです。

この作品のテーマは、などと評論家のような分析をあまりしたくないけれど、誤解を恐れず一言で言い切ってしまうとすれば、大胆に言うと、人種差別を根底にした人間模様で、その幸せはふとしたことですぐに脅かされてしまう、ということかもしれない。差別される人たちが暮らす大都会において、その差別されている人たちの幸せな生活というのは不安定な状態であり続ける。何事もなく一日を終えるということは正直言って大変だ。
こう書いてしまうと、この映画の本質からは遠く離れてしまいそうだ。
だからこの映画を正面から批評するのはここまでにしておきたい。

この映画を見ながら頭に浮かんだことは、アメリカがことあるごとに口にする「自由」という言葉だ。
自由の国アメリカ、アメリカ万歳、アメリカンドリーム、これらの言葉が意味するものの本当の姿は、アメリカは不自由な国であるということの裏返しだ、とよく考える。不自由な国だからこそ、夢が簡単には叶わないからこそ、そう唱えるのだ。そう唱えることによって、そう唱えさせることによって、彼らは自身の不自由さや理不尽さを乗り越えようとしている。そう思える。
この映画はそう考えざるを得ないある種の理不尽さから成り立っている。理不尽がテーマのひとつになっていると言えるかもしれない。

その理不尽さが悲しい物語を生む。しかし、それは理不尽であるが故に抗し難いものとして悲しいかな事実としてそこに立ちはだかる。

ロスでは皆、車に乗っているから人と触れ合えない、しかし、本当は触れ合いたいと思っている、という内容の台詞からこの物語は始まる。つまりロサンゼルスに限らず大都会という場所では人間関係がすべてだ。社会は人間関係でしか成り立っていない。だからその人間関係に悩む。多国籍民族の社会ではその人間関係が不確かなものの上でしか成立しない。そこに確信を得るためのものはなんなのか、考えさせられる物語であるのかもしれない。

 

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» 「クラッシュ」を3回見て [pinkopaque/weblog]
またポール・ハギス監督作品の「クラッシュ」を見た。前回の記事で書いたことと多少違 [続きを読む]

受信: 2007.03.11 02:53

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