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2007.04.10

プロフェッショナル・隈研吾

NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」は建築家隈研吾でした。
隈研吾の講演会にはこれまで2度聞きに行ったことがある。
時期が近かったせいか、ほぼ同じ内容のものだった。内容は、他の建築家の講演とは違っていた。
大抵の建築家は、その作品性について語る。
光の入り方がどう、構成がこう、コンセプトはこう、そしてその建築家が考えている「建築とは」という概念的な話など。議論できない者は建築家ではない、ということからくるものだ。
ところが隈研吾の講演会の内容はかなり生々しく、具体的なものだ。

その素材を使うためにいかに法的な制限をクリアにしたのか、厳しい予算内でなにができたか、構造的な解決方法、工法的な工夫などだ。そこには建築の概念的な話はほとんどない。
今回のプロフェッショナルでも、現実のプロジェクトと格闘する姿が描かれている。
その中で、厳しい「制約」によってより創造的、より独創的な建築ができるかということを言っている。
たしかに、建築はペーパーアーキテクト、ヴァーチャルアーキテクトではない限り、リアルな制限をひとつずつクリアにしていかなければ成立しない。
ゲニウス・ロキも重要であるが、ゲニウス・ロキ以前の制約が数多くある。
それはわれわれが一般的に設計するにあたっても同じ話で、その敷地の法的な制限が数多く立ちはだかるし、そこにあるべき空間構成が防火区画やらをはじめとしてさまざまな建築関係法令が更に制限を架けてくる。
でもそれは建築をする者は誰でも同じで、そこを大きな障壁と捉えるか、その制約があることによってよりクリエイティブな解決案が出てくるのではないかと考えることで、できるものが違ってくる。
前回書いた宮崎駿の考えと同じで、その人の性格あるいはものに対する姿勢、取り組み方もっというと思想がでてしまうのだと思う。
建築実務では法的な制約、予算の制約が生々しくわれわれの前に立ちはだかるが、実はそれ以上の制約は重力ではないかと思うことがある。CGでは簡単に柱のない屋根を架けることが可能だが、現実の世界では宙に浮くことはできず、柱や壁が建ってくる。それに比べてみれば法的な制約なんかしれている。

関連ブログ
プロフェッショナル・すみきち&スタッフブログ
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