« ハーバード 白熱教室|第1講・第2講 | トップページ | お久しぶりです »

2010.04.12

ハーバード 白熱教室|第3講・第4講

注:なぜか「下書き」のまま未公開となっていた記事を今回「公開」することにしてみます。なぜ未公開のままだったのかが、もう3年も前のことなので今となっては思い出せません。もし不具合が発見されたら非公開にするかもしれません。あらかじめお断りいたします。(2012年2月12日・公開)

ハーバード 白熱教室 "Justice with Michael Sandel"』第2回のテーマは「命に値段をつけられるのか」

・Lecture3 ある企業のあやまち
・Lecture2 高級な「喜び」 低級な「喜び」
というテーマだった。
>>講義詳細(http://www.nhk.or.jp/harvard/lecture/100411.html

   *

前回の放送を引き継いで、功利主義についての議論を深めて行く講義となっている。
(前回についての記事>「ハーバード 白熱教室|第1講・第2講」)

今回も実例を挙げて議論を進めた。
ひとつめの事例は、チェコのたばこ税増税に関してたばこ会社が「費用便益分析」を用いた結果、国民が喫煙をすると国家が得をするという結論を導き出したというもの。
もうひとつは、70年代アメリカのフォード社が「ピント」という車の欠陥に対し、リコールしなかった理由についてだ。
フォード・ピント事件と言われるこの事件は、後部に設置されているガソリンタンクが後ろからの衝撃によって

の費用便益分析とはこうだ。

《費用》 修理費用:1,250万台×11ドル=1億3,750万ドル
《便益》 死者数: 180人×20万ドル=3,600万ドル
      重傷者数:180人×6.7万ドル=1,206万ドル
      車両事故:2,100台×700ドル=147万ドル
      合計:  4,953万ドル

この分析結果からリコールは行なわれなかったというものだ。

 1960年代後半、フォード社は、軽量廉価のサブコンパクト車「ピント」を設計した。
 フォード社は、日本製小型車との競争のため、通常3年半かかるところを2年半で生産に持ちこんだ。この短期間の枠では技術内容よりもスタイルが優先され、その結果、ガソリンタンクの最適位置は後部車軸とバンパーの間と決められた。この構造では、差動歯車ハウジングのボルトの頭が露出しているため、後ろからの衝撃でタンクがそれに向かって前方に動けばガソリンタンクを刺し通すかもしれなかった。
 ピントはその時点で適用される全ての連邦安全基準に合格していたが、数年後に発行する新基準に合格しないことを技術者たちは知っていた。実際、新たに定められた時速20マイル(32km/h)試験では、12回の後部衝突のうち11回が不合格で、衝突によりガソリンタンクが破裂し、車体は炎上した。
 フォード社は、タンクにゴム製シートを装着したり、タンクを後部車軸の後ろから上部に移動して衝撃テストを行った結果、両方とも試験に合格した。しかしこれら改善には、1台あたり11$が必要であった。
 フォード社の自動車安全担当取締役は、「衝突事故がもたらす燃料の漏洩と火災による死亡事故」という文書を作成した。ここでは次のように計算された。
  (改善費用)販売台数1250万台×単位費用11$=約178億円
  (社会的利益)死傷者の出る火災180件×(死亡による損失20万$/件+負傷による損失67千$/件)+車両炎上2100台×車両損失700$=約64億円
       ※死亡者の損失は、将来生産額から保健・法廷費用・葬式代・犠牲者の苦痛と災害補償までを含み国家高速道路交通安全管理局の調査により計算された。
 この結果をもとに、フォード社は設計改善費用がその社会的利益を上回ると判断し、そのまま販売を続けた。

安全性の向上によるコストの減少が4950万ドル(死者数減:180人×20万ドル、重傷者減:180人×6.7万ドル、車両事故減:2,100台×0.07万ドル)、車両製造コストの増加分が13,700万ドル(1,250万台×11ドル)とそれぞれ見積もられていた。

参考URL
失敗事例「自動車ピントの衝突火災」
>>shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CA0000636&

|

« ハーバード 白熱教室|第1講・第2講 | トップページ | お久しぶりです »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/213747/34225341

この記事へのトラックバック一覧です: ハーバード 白熱教室|第3講・第4講:

« ハーバード 白熱教室|第1講・第2講 | トップページ | お久しぶりです »