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2013.02.19

DEAD CAN DANCE in OSAKA

2013年2月17日日曜日の夜、コクトー・ツインズに並んで4ADを代表するデッド・カン・ダンスのライブに行ってきました。
って何の話をしているのかわからないかもしれませんね。音楽の話で、4ADとはイギリスを代表するインディペンデント・レーベルつまりは大手ではないレコード会社のことです。今はかなり設立当時のものとは変わってきたようです。
   *
思い返せば1984年のある日のこと、ぼくが神戸三宮駅近くのMr.jacketsというダイエー系列のレコード店で流れていた音楽に心を奪われてしまいました。神の声が聞こえたと思っいました。あるいは幻聴なのかなとも。すると流れていた曲が終わり、次の曲がはじまりました。また別の女声が聞こえてきたのです。ああ、これは幻聴なんかじゃない。本当に女神がいるんだと感じた、いや経験したのです。
生まれて初めて店員に「今流れている曲はなんですか?」と訊ねました。内向的な性格のこともあって、また、店員は専門家でもないから自分の方が詳しいという買い被りもあり、店員に訊いたってわからへんで、という考え方を当時はしていたこともあり、店員さんと言葉を交わすことはなかったのです。
でも、今回は事情が違います。これは訊いてみないことにはせっかくの女神の正体を知ることができないまま終わってしまうかもしれません。
ちょっと小太りのおじさん店員がこれですと指差したCDが this mortal coil, “It’ll End In Tears” というものでした。レジカウンターの右脇にNOW PLAYINGとしてディスプレイされていた小さなCDジャッケットは夢で見るような幻想的なセピア色の女性の姿でした。
CDプレーヤーをまだ持っていなかった当時のぼくはそのアルバムのLPレコードを購入しました。
家に帰って、恐る恐るレコードにリコード針を下ろしました。もしかしたらやっぱりあれは幻聴だったのかもしれません。あるいはあの店で聞いた以外の曲はばりばりのパンクロックとか前々雰囲気の違うものかもしれません。
結果、"Not Me" という1曲を除いてすべてレコード店で聞こえた世界観のアルバムでした。
インナースリーブを注意深く見ると女神は Elizabeth Fraser という人のようでした。もうひとりの声が Lisa Gerrard と書かれていました。最初に聴いた曲は ”Another Day” 次に聞こえたのが ”Waves Become Wings” ということがわかりました。
Lisa Gerrard が本当は this mortal coil のメンバーではなく、Dead Can Dance という変わった名前のバンドのメンバーであることを知ったのはもちろんそのあとのことでした。
その日からぼくのエリザベス・フレーザーと彼女のバンドであるコクトー・ツインズ、そしてもちろん出会いのきっかけとなった This Mortal Coil を追い求めることになりました。当時はレコード盤をばんばん購入できるだけの財力もなかったために、Dead Can Dance やリサ・ジェラルドまで手を伸ばす余裕が残念ながらなかったのでした。
ただ、一枚までCDを購入し、その宗教音楽のような音楽に酔いしれるようになりました。
しばらくして、再びリサ・ジェラルドの声を聞くことになったのは映画館でした。
映画「グラディエーター」で歌声を提供していたのです。一際重要なシーンに彼女の声が流れるとそのシーンがより印象深いシーンになったと言い切りたいと思います。
これで彼女の知名度が一気に上がったらしく、リドリー・スコット監督作品では「ブラックホーク・ダウン」でも再びその美しい声を聞くこととなりました。
そんなリサ・ジェラルドと実に28年越しにライブで会うことができたのです。
しかもumeda AKASOという小さなライブハウスですので、本当に間近に見ることができました。こんな日がくるとは夢にも思いませんでした。
デッド・カン・ダンスはリサ・ジェラルドだけではなく、もうひとりブレンダン・ペリー(Brendan Perry)という男性とのバンドで、そのバリトンがとてもシブいのです。ああ、シブいって最近いわないのかなあ。語るでもなく歌い上げるでもない独特の抑揚で歌う声は一度聞いたら忘れられない個性を持ち主だと思います。
また彼らが演奏する楽器もユニークで客席側からは詳しくは見えなかったんですが、調べてみるとリサは揚琴(yangqin)という楽器を演奏して、ブレンダンはバンジョーにも似ているけれど、よく見ると違う Irish bouzouki という弦楽器を弾いていました。
幻想的な雰囲気の曲が多く魂が浄化される音楽です。
途中「グラディエーター」のために作った曲「Now We Are Free」も歌ってくれました。きっかり90分の演奏が終わるとアンコールでは This Mortal Coil の “Dreams Made Flesh” も演奏してくれました。
また This Mortal Coil では Elizabath Fraser が歌っていた Tim Buckley の曲である “Song to the Siren” をブレンダン・ペリーが歌ったのにはかなり感激しました。
アンコール3回やってくれてきっかり30分で終了。2時間本当に堪能しました。
唯一残念だったのは「龍馬伝」の主題歌をやってくれなかったことかな。でもあれは Dead Can Dance じゃないから仕方ないか。
こういう体験はなかなかできないなあ。
音楽とは関係ない話ですが、ステージにはリサとブレンダン以外にバンドメンバーが5人、計7人が上がっていました。うち5人が男性で、うち3人がスキンヘッドでした。
umeda AKASO って、一瞬アソコ?って読み間違えそうになりましたが、文字でもると納得。OSAKAの逆読みですね。

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