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2013年6月の2件の記事

2013.06.16

コンコルド効果

「コンコルド効果」——このことばにはその現すところの意味を内在させている。

「効果」と日本語で言うとそこには「よい結果」をもたらすものとしての使われることが求められている。三省堂刊『新明解国語辞典第六版』によると「目的通りのよい結果」という語釈が真っ先に掲げられているのだ。新潮社の『新潮現代国語辞典』では「現れる結果」の前に「(意図したとおおりに)」という但し書きがある。つまり、われわれが「コンコルド効果」という言葉と出逢うとき、そこにはすばらしい結果を産むノウハウのように聞こえてしまう可能性がある。もっというとその可能性が高いと言ってもいいかもしれない。
しかし、実際は逆の意味で「商業的失敗」を意味する心理学あるいは行動経済学で使われる言葉なのだ。
英仏が共同開発した超音速旅客機コンコルドは開発の中途でたとえ完成してもいくつかの理由で採算がとれないことが予測された。しかしそれまでに投資した開発費が巨額だったために突っ走り、完成はしたが、結局赤字がどんどんと膨らんでいったという現象に由来する。
つまり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失に繋がることがわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す言葉なのだ。
別の言葉でいうならば「埋没費用」ということになる。

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2013.06.15

Badlands

トニー・スコット監督の代表作のひとつといえる『トゥルー・ロマンス』のシーンです。トニー・スコットと言えば『トップガン』や『クリムゾン・タイド』などで知られているますが、『トゥルー・ロマンス』が一番好きです。1993年9月10日にアメリカで公開されています。 この映画の魅力ひとつが音楽であり、なかでも繰り返し流れるハンス・ジマーによる「You're So Cool」というシロフォンによるチャーミングなテーマ曲があると言えます。 先日、WOWOWでテレンス・マリック監督のデビュー作である『地獄の逃避行』を見て驚きました。桂三枝(今の桂文枝)による長寿番組「新婚さんいらっしゃい」ごとく椅子ごと転げるくらいの驚きでした。オープニングに流れる曲が「You're So Cool」なのです。いや、少しアレンジは異なるものの同じ曲と言えます。調べてみるとドイツ人作曲家カール・オルフ(Carl Orff : 1895.07.10 - 1982.03.29)の「Gassenhauer」という曲で、オルフが「子供のための音楽」(ムジカ・ポエティカ:Musica Poetica)として作られた作品群 Orff Schulwerk のひとついうことがわかりました。「Gassenhauer」とは英語で言うと「Street song」という意味になるようです。

『トゥルー・ロマンス』と『地獄の逃避行』は音楽だけでなく多くの類似点が見られます。つまりは『トゥルー・ロマンス』は『地獄の逃避行』へのオマージュとして撮られている作品なのです。 では、この『地獄の逃避行』とはどういう映画なのでしょうか。 アメリカで1973年10月15日に公開された原題 "Badlands" というタイトルのこの映画は1958年にネブラスカ州で実際にあった「スタークウェザー=フューゲート事件」を題材にしています。主演がマーティン・シーンとシシー・スペイセクで、ジェームズ・ディーンそっくりの25歳の清掃員キットと15歳の少女ホリーが出逢った人を次つぎと殺していく逃避行を描いたロードムービーです。撮影は後に『羊たちの沈黙』を撮るタック・フジモトで、彼の初撮影作品のようでもあります。 物語はキットとホリーが出会い、交際をホリーの父反対されたことで、キットがホリーの父親を射殺することを発端に、キットが表情ひとつ変えずに人を殺していくバイオレンス映画という側面もあります。映画ではしばしば常軌を逸した残虐性を耽美的に映像化されますが、本作はその典型と言えるのかもしれません。 邦題の『地獄の逃避行』は主演のマーティン・シーンがその後『地獄の黙示録』で有名になったためにコマーシャル的に付けられたものです。スティーヴン・セガールの出演作を『沈黙の〜』とするみたいなものでしょうか。 原題は先の書いたとおり『Badlands』ですが、これは地質的なことばで、広義には地質・地形が悪く農業や宅地開発に適さない土地という意味で、狭義では、Wikipedia(悪地)によると結合度の低い堆積層や粘土層などが風雨により極度に侵食され、峡谷状の涸れ谷になった荒地のことで組織地形の一種であるそうだ。北米では一般に知られていて、元はアメリカのサウスダコタ州にあるバッドランズ国立公園となっている地域を、先住民のラコタがマコシカ(Makhóšiča)と呼んでいたことに由来しているそうです。 そのタイトルのとおり、都市風景的なものは後半から出てこない。地平線まで望める砂漠のような荒地をバックに撮られているシーンが続きます。これは主人公キットの心の中のメタファーとしているような気がします。 また、同時に映画の冒頭では言葉の通りに「悪い土地」という意味で語られています。

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