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2013.06.16

コンコルド効果

「コンコルド効果」——このことばにはその現すところの意味を内在させている。

「効果」と日本語で言うとそこには「よい結果」をもたらすものとしての使われることが求められている。三省堂刊『新明解国語辞典第六版』によると「目的通りのよい結果」という語釈が真っ先に掲げられているのだ。新潮社の『新潮現代国語辞典』では「現れる結果」の前に「(意図したとおおりに)」という但し書きがある。つまり、われわれが「コンコルド効果」という言葉と出逢うとき、そこにはすばらしい結果を産むノウハウのように聞こえてしまう可能性がある。もっというとその可能性が高いと言ってもいいかもしれない。
しかし、実際は逆の意味で「商業的失敗」を意味する心理学あるいは行動経済学で使われる言葉なのだ。
英仏が共同開発した超音速旅客機コンコルドは開発の中途でたとえ完成してもいくつかの理由で採算がとれないことが予測された。しかしそれまでに投資した開発費が巨額だったために突っ走り、完成はしたが、結局赤字がどんどんと膨らんでいったという現象に由来する。
つまり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失に繋がることがわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す言葉なのだ。
別の言葉でいうならば「埋没費用」ということになる。
    *  *  *
元は 'Concorde fallacy' という言葉を訳したようですが、日本語に 'fallacy' に当て嵌まる適切な語がないことから 'Concrde effect' の訳語として「コンコルド効果」という言い方になることが多いということらしいです。
'fallacy' とは研究社の『リーダーズ英和辞典第2版』によると「誤信、誤った考え、謬見、誤った推論」という意味のようです。だったら「コンコルドの謬見」なんていう言葉でいい気もしますけれど。
なので、ニュアンスを伝えるためには「コンコルドの誤謬」と言われることもあり、ぼくはこちらの言い方を先に知りました。
これと同義語になるもうひとつの言葉に「サンクコストの過大視(overstimate of sunk costs)」というのがあります。
「先行投資額が巨大だと、損失回避の傾向から、人は未来の予測をしばしば誤る」という意味で使われます。
さて、なぜわざわざこのことばの意味でコラム一本を書いているかというと、ちゃんと理由があります。
後に大阪都市計画に「コンコルド効果」があるのではないかという記事を書くためです。

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