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2013.08.05

ターナーと007

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ターナーの『金枝 (Golden bough)』は夏目漱石『坊っちゃん』の一場面に登場します。

「あの松を見給へ、幹が眞直で、上が傘の様に開いてターナーの画にありさうだね」と赤シヤツが野だに云ふと、野だは「全くターナーですね。どうもあの曲り具合つたらありませんね。ターナーそつくりですよ」と心得顔である。ターナーとは何の事だか知らないが、聞かないでも困らない事だから黙つて居た。

ここで話題に上がっている絵がこの『金枝』という作品です。この絵はイギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーによって著された未開社会の神話・呪術・信仰に関する集大成的研究書『金枝篇』という大著の口絵として用いられました。

そんなイギリスの国民的画家ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー (Joseph Mallord William Turner, 1755.04.23 - 1851.12.19) が1839年に発表した代表作のひとつを次に紹介します。

     *

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この絵は007シリーズ最新作『スカイフォール』のある場面に登場しました。
ジェームズ・ボンドと新任のQとが初めて出会う場所が、ロンドンのナショナルギャラリーなんですが、その展示室にこの絵が展示されています。
部屋の名前は "room 34" でここで撮影されたのだと思います。縦90.7cm、横121.6cmのこの絵のタイトルは『戦艦テメレール号』ですが、正しくは長い名称です。
『解体されるために最後の停泊地に曵かれてゆく戦艦テメレール号』

です。

英語では、
"The Fighting Temeraire tugged to her last Berth to be broken up"
です。
映画『スカイフォール』をご覧になった方はもうお分かりだと思います。
タイトル中にある通り、船は女性名詞なので代名詞が her となっていますね。
戦艦テメレール号はMのことを表しているということです。
つまりジュディ・デンチ扮するMが現職を解かれるということを示しています。
なんてことのないシーンでもちゃんと意味を持たせているのが映画ですね。
この絵が展示されている部屋がどうして「room 34」とわかったのか、はナショナルギャラリーの公式サイトを訪問すればわかりました。
THE NATIONAL GALLERY

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