カテゴリー「行動経済学」の2件の記事

2013.06.16

コンコルド効果

「コンコルド効果」——このことばにはその現すところの意味を内在させている。

「効果」と日本語で言うとそこには「よい結果」をもたらすものとしての使われることが求められている。三省堂刊『新明解国語辞典第六版』によると「目的通りのよい結果」という語釈が真っ先に掲げられているのだ。新潮社の『新潮現代国語辞典』では「現れる結果」の前に「(意図したとおおりに)」という但し書きがある。つまり、われわれが「コンコルド効果」という言葉と出逢うとき、そこにはすばらしい結果を産むノウハウのように聞こえてしまう可能性がある。もっというとその可能性が高いと言ってもいいかもしれない。
しかし、実際は逆の意味で「商業的失敗」を意味する心理学あるいは行動経済学で使われる言葉なのだ。
英仏が共同開発した超音速旅客機コンコルドは開発の中途でたとえ完成してもいくつかの理由で採算がとれないことが予測された。しかしそれまでに投資した開発費が巨額だったために突っ走り、完成はしたが、結局赤字がどんどんと膨らんでいったという現象に由来する。
つまり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失に繋がることがわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す言葉なのだ。
別の言葉でいうならば「埋没費用」ということになる。

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2008.06.13

モンティ・ホール・ジレンマ

【問題】

 今、あなたはテレビのクイズ番組に出演しているとする。
 何題かの問題に正解し、最後の賞金獲得のチャンスがやってきた。
 ドアが三つあり、どれでもいいからドアを開けるとその後ろにある賞品がもらえることになっている。ひとつのドアの後ろには車が置かれているが、残りのふたつのドアの後ろにはヤギがいるだけだ。
 あなたは、A、B、C三つのドアから見当をつけてAのドアを選んだとしよう。まだドアは開けられていない。
 すると、ドアの後ろに車があるのを知っている司会者は、Cのドアを開けた。もちろん、そこにはヤギがいるだけだ。ここで司会者はあなたに訊ねた。
「ドアAいいですか? ドアBに変えてもいいですよ。どうしますか?」
 さあ、あなたならどうするだろうか。Aのままでもいいし、まだ開けられていないBのドアに変更してもよい。どちらを選ぶか?

 ⎯⎯友野典男『行動経済学 経済は「感情」で動いている』光文社新書刊, pp11-12より抜粋

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